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【ナナシス】ありのままに叫んだナナシス2053 2ndライブ――Tokyo 7th シスターズ 2053 2nd Live “Brightestar”

 Tokyo 7th シスターズ 2053 2nd Live “Brightestar” が12月16日、17日の2日間、江戸川区総合文化センター大ホール(東京都)で開催されました。今年3月に開かれた1stライブから早9カ月。今回は2053組では初となる声出しOKのライブでした。歓声やコール&レスポンスが解禁されたことで、終始会場内のテンションは常に最高潮に達していたように感じます。

Asterline

SERENDIPITY
□ミライノート
□Starlight☆Asterism!!!(1日目)
□Time Machine(2日目)
□TSUBOMI et cetera
□magic hour(2日目)
□O.YA.SU.MI Good night
□Reach for the Meteor

 2ndライブの開幕を飾ったのはAsterlineの「SERENDIPITY」。普段聞いている分には「良い曲だな」くらいの認識だったんですが、歌詞に注目すると「いつものように幕が上がってく」「はじまりの合図(ベル)鳴り響いたなら」と、物事の始まりを予感させるフレーズが盛り込まれていました。まさにライブの幕開けにもってこいの一曲と言ってよいでしょう。

 「ミライノート」「Time Machine」はライブ映えする一曲。特に前者は「燦燦~」「Ring Ring~」と年甲斐もなく声を上げ、腕を振っていましたね。私事ですが、声出し有りのライブに参加したのが4年ぶりでした。直近はコロナ前です。勘が鈍っている気がしないでもなかったのですが、「ミライノート」でだいぶ取り戻せたと思います。曲中の「特別な時間を忘れないでね」(一ノ瀬マイ)の一言にもグッときました。

 MCではキャラクターのプロフィールを織り交ぜたコール&レスポンスが繰り広げられました。1日目は朝凪シオネ役の山田麻莉奈さんが「好きな動物」(ペンギン)、2日目は一ノ瀬マイ役の星ノ谷しずくさんが「今朝の朝食」(カレーライス)を、それぞれ支配人に質問。こうしたエピソードとリンクさせた演出もナナシスライブの醍醐味ですよね。

Roots.

□Hidden Stages
□Mellow Melodies
□Find me(1日目)
□Wildflower
□New Age(1日目)
□WONDEЯ GIRL(2日目)
□XOXO PAIN

 「Hidden Stages」のイントロ(サイレン)がけたたましく鳴り、場内が赤い光に包まれると登場したのはRoots.の3人。Asterlineの多幸感あふれるステージから一転、Roots.の醸し出す妖艶でダークな雰囲気が一気に場内を包みました。

 Roots.も既存曲すべてを披露しましたが、個人的に楽しみにしていたのが「WONDEЯ GIRL」です。昨年11月の6+7+8thアニバーサリーライブで聞いて以来この曲の虜になった私。今日に至るまでほぼ毎日、移動中や余暇の時間はこの曲を流していたんです(普段使用している音楽サブスクの「今年一番聞いた曲」ももちろんこの曲)。

 そんな「WONDEЯ GIRL」は、ふたを開けてみれば2日目のみの披露。日替わり曲だったことに少々面喰いましたが、曲中狂い咲くがごとくペンライトを振り、イントロやサビの「wow oh」でありのままに叫べたのでカタルシスを得られました。満足です。

 新曲「XOXO PAIN」も外せません。特にタン・シヨン役、橘一花さんのパフォーマンスは圧巻でしたね。情熱的なステージ演出も相まって、「無敵」感が前面にプッシュされたパフォーマンスだったように感じます。

 MCでは舞台の上手、下手まで移動し、支配人とコミュニケーションを積極的にとる姿が目立ちました。毎度のことですが、ツインテールの支配人やRoots.グッズを持っている支配人を探したり、コール&レスポンスを楽しんだりする姿は、クールなパフォーマンスとは一転してフレンドリーな印象を受けましたね。

RiPoP

□ライフ・イズ・サーカス
□わがままSwing Cutest!
□キュート・アラモード
□ゴチャメチャ×ワンダーランド

 Roots.が退場すると、軽快なBGMとともに二つの大きな箱が運ばれてきました。運んでいるのはピンクと水色のクマのキャラクター(名前は後述)。箱を運び終わり、ドラムロールが流れると登場したのはRiPoPの2人です。ステッキを片手に「ライフ・イズ・サーカス」を披露すると、会場内が一気にRiPoPワールドに包み込まれました。

 2日目のステージ、一ノ瀬ミオリ(小茅楓さん)のステッキが明後日の方向に飛んで行ってしまうというハプニングがあったものの、「ちっちゃなミスなんてバイバイ引きずんなくてOK」「これまでのピンチをトランポリンにしてみましょ!」と、「ライフ・イズ・サーカス」の歌詞よろしく1日目と同様のパフォーマンスをしていたのが印象に残っています。

 RiPoPとともにステージを盛り上げたのがクマのキャラクターです。ピンクが「マカロン」、水色が「ミント」。バックダンサーがステージに登場するユニットと言えば、2034のKARAKURIが挙げられますが、2053では初です。ひょっとしたら「KARAKURIダンサーズ」が転生した姿なのかも……と想像した支配人は、私だけではないはずです。

Stella MiNE

□You&I=
□Be Your Light(1日目)
□Endless Moment(2日目)
□Startrail
□We Are Stars
□Protostar

 1stライブではトップバッターを務めたStella MiNE。今回の2ndライブでは最後の登場となりました。

 特筆すべきは、もちろん「Be Your Light」でしょう。特にサビの「Wow…」は大きなうねりを上げて会場全体に轟いていたように感じます。新型コロナが猖獗を極めたことでイベントの中止・中断が相次ぎ、やっとの思いで復活したものの声出しNGなど制限を課され、ここ数年はライブでも満足に盛り上がることのできませんでした。

 そんな支配人たちの鬱憤やフラストレーション、はたまた心の叫びが「Be Your Light」で発散されたのではないでしょうか。日替わり曲なのが惜しいくらいの盛り上がりでした。
 
 本編の最後を締めくくる「Protostar」も盛り上がりました。個人的に印象に残っているのがラストのサビ部分の演出です。大型スクリーンを前にパフォーマンスをする星影アイ(天希かのんさん)と月代ユウ(天野聡美さん)。2人のアップが映されると、次第にスクリーンが左右に分かれました。

 この演出は2人が退場するための導線を確保することが目的なのでしょうが、彼女たちの間には隔たりが存在するという、今の2人の関係性を”匂わせ”るような演出でもありました。アイはAsterlineとして、ユウはRoots.として、環境は違えどともにTokyo-7thでアイドル活動に勤しんでいるわけですが、2人が再会する様子はありません。
 
 近くて、遠すぎる――。Stella MiNEの今を示唆する見事な、そして切ない演出でした。

All CAST

□Star☆Glitter

 ライブを締めくくるのは全員での「Star☆Glitter」。ナナシスの代名詞と言っても過言ではないこの曲は、2053でもまだまだ健在です。2053はストーリーの都合上、全員での全体曲を作りづらい状況にあるので、今後もこういった2034時代の楽曲が披露されるのではないでしょうか。ちなみに、1stライブでは「Along the way」がラストを飾りました。

まとめ

 全体を通して、やはり「声援の力」を改めて感じたライブでした。音源であらかじめ盛り上がりそうなポイントを予想していたわけですが、それ以上に合いの手、コール&レスポンスが入っていた印象です。
 
 比較的初期にリリースされた楽曲は日替わり曲扱いでした。特に「Be Your Light」を1日目だけにしたのは驚きましたし、2日目も聞けるものと思っていたので少し残念でしたが、今後2053のライブがまだまだ続くと考えると、こういった形もありなのかな、と思います。
 
 あとは、エピソードを絡めた演出も健在で「ナナシスライブらしさ」も垣間見ました。先述したMCや「Protostar」の落ちサビもそう。もちろん、私が気づいていない部分もまだまだあることでしょう。単に「楽しかった」「盛り上がった」で終わらせない、支配人の語り草になるような演出を盛り込んでいるところも、ナナシスライブの魅力だと思います。