会社員ライブラリー

しがないサラリーマンの書評やエンタメ鑑賞の記録

2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

【書評】「居場所」をめぐる少女の物語――『マウス』

" data-en-clipboard="true"> 本作は「居場所」をめぐる2人の少女の物語である。空気を読みながら自らの居場所を作ろうと躍起になる律。クラスになじめずどこにも居場所がなかった瀬里奈。お互いにスクールカーストの下層に属していたものの、律が仕組んだ…

【書評】世界は「編集」でできている――『知の編集工学』

動画編集、画像編集、雑誌編集……。「編集」という言葉には、どこか職人気質なイメージが纏わりついていると感じる。実際に『広辞苑』で「編集」の頁を引いてみると「資料をある方針・目的のもとに集め、書物・雑誌・新聞などの形に整えること」とある。つま…

【書評】レイワを生き抜く「健全な反逆」のススメ――『令和その他レイワにおける健全な反逆に関する架空六法』

パンチの効いたタイトルである。「健全な反逆」。「架空六法」。つい、ストーリーを妄想したくなる。「悪法に苦しむ市民」を描いたのだろうか。それとも「パワハラ上司を訴えるビジネスパーソン」を描いたのだろうか。それとも……と想像しながらページをめく…

【書評】「ポスト産業資本主義」時代における会社の在り方――『会社はこれからどうなるのか』

重厚長大型の産業資本主義は耐用年数をとうに過ぎ、日本社会は差異を意識的につくり出すことで利潤を生みだしていく時代――ポスト産業資本主義の時代にシフトしている。ポスト産業資本主義の社会では、他社製品/サービスとの間にはいかなる差異があるのかと…